ペケ山ブログ

思いついたことを好きに書いています。

テヘ現象

 
 
同じ空間で同じ事に遭遇し、
自然にプッと笑いが込み上げてくる状況。
 
全く知らない人と過ごす不思議な時間。
 
 
 
 
お互い右に左に同じ方向によけ合うことで照れ合うことがあるだろう。
ペケ山はこの「テヘ現象」によく遭遇する。
 
 
 
 
とても天気がいい日だった。
 
 
私はスーパーに行こうと歩いていた。
 
住宅街の細い道をテクテクと歩いていたら、
 
60歳くらいだろうか。
白髪の男性が塀に向かって立っていた。
 
 
ん?あの人、微動だにしないな…
 
 
男性の横を通り過ぎようとした。
 
 
 
すると見たことがない、
フワッフワの毛並みの
丸っこい鳥が塀の上に止まっていた。
 
 

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え?こんな鳥、見たことがない。
 
 
 
 
男性もこの鳥はなんだろうとずっと観察していたに違いない。
 
 
 
 
 
本当にフワッフワなのだ。モッフモフなのだ。
 
毛並みからして子供らしかった。
 
 
 
 
そして思ったよりでかい。
でっかい雛鳥だ。
 
 
 
しかもまったく動かないのだ。
 
 
 
私たちはすれ違う何秒間、
じっとそのフワッフワの鳥を見つめ、
 
 
 
 
何故かお互いうなずき合い、
 

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ニヤリとしながら別れたのであった。
 
 
 
 
 
 
2人の気持ちが一致した時に起こった
謎のうなずき。
 
 
 
 
 
右に左によけ合う恥ずかしさ=1テヘであるなら、
 
 
 
6テヘくらいだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その日の前日は雨が降っていた。
梅雨の時期である。
 
 
 
散歩の帰り道、なにか黒くて大きい塊が
道の真ん中に落ちていた。
 
 
なんだか只者ではない殺気を感じた。
 
 
 
犬のフンなのか?
 
それにしてはデカイ。
 
あの大きさ。
まさか人のものなのではないか、
いやしかし、道のど真ん中で?
 
などと思いながら歩いていた。
 
 
 
 
その黒い塊の向こう側から
フレンチブルドッグを連れた女性が歩いてきていた。
 
 
 
 
 
その塊から約2メートル程まで近づいたとき、
私達は、それがのっそりと動いていることに気づき、
 
お互いビクッとして立ち止まった。
 

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それは超ド級サイズの牛ガエルであった。
 

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ぱっと見、ティーカッププードルくらいだろうか?
 
とにかくデカイのだ。
 
 
 
 
 
この住宅街のどこから来たのだろうか。
 
 
 
 
 
 
しばらくカエルを見つめたのち、
私達はニヤッと笑いあい、
一礼してすれ違ったのであった。
 

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同じ距離を保ちながら同時にカエルと気付き、
同じタイミングで犬も一緒にビクッとしたという
シンクロ二シティ。
 
 
 
 
 
8テヘである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お昼休み、外で弁当を食べようと神社にいった。
 
そこは木が沢山あり、
軽く森のように緑が生い茂っていた。
 
 
ボロいベンチ。
 
 
隣のベンチには50代くらいのサラリーマンが弁当を食べていた。
 

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緑が生い茂っているこの神社はスズメが沢山おり、
ちょっとでも弁当からおかずやお米などがこぼれ落ちたりすると、
待ってましたと言わんばかりに、
まるでハンターのようなスズメが一瞬で口にくわえ、
持っていくというサイクルが繰り返されていた。
 
 
 
 
 
ぼーっと木漏れ日をみながら弁当を食べていると、
 
 
急に穴から出て来てしまったのか、
特大のカブトムシの幼虫のような
白くウネウネしたイモムシが動いていた。
 
 
 
 
イモムシを見つけてほんの3秒くらいだろうか?
 
 
 
高速のスピードでスズメが加えて飛んでいった。
 

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あっ!
 

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私は思った。
 
なぜ土から出て来てしまったんだ。
 
 
もう暫く土の中にいれば成虫になり、
食べられなかったかもしれない。
 
 
ふと、隣のサラリーマンを見たら私と
同じ事を考えていたのだろう。
 
 
 
 
悲しい表情でイモムシがいた場所を見つめていた。
そしてこっちに気づいた。
 

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私達は弱肉強食を目の当たりにした。
 
 
あのトムソンガゼルがライオンに食べられるシーンと重なる。
 
 
 
 
切ない気持ちが表情にでていたのだ。
 
 
 
お互いその顔を見合った後、ニヤッと笑った。
 
 
 
 
 
お互い同じ思いで同じ顔をしていたという
気恥ずかしさ。
 
 
 
 
 
10テヘである。
 
 
 
 
 
 
まったく知らない人と同じ場所で
同じ行動をしてしまうテヘ現象。
 
 
 
ご近所さんなど人との繋がりが薄くなっているこの都会でも、
こういったテヘ現象を通して人はこんな些細な事で
繋がることができるのだ
と感じた今日この頃。
 
 
 
けしてひとりではない。