ペケ山ブログ

思いついたことを好きに書いています。

エスパー(仮)〜のんちゃんの包容力〜

 
 
「私、実は不思議な力があるっちゃん・・」
 
 
 
 
新幹線が帰省ラッシュで120%乗車率。
毎年この時期はよく聞くフレーズである。
私も帰省するときはたまに新幹線を利用するのだが、
新幹線の「のぞみ」に乗るたびに必ず思い出す事がある。
 
 
 
自分には何か不思議な力があるはすだど、何故か信じてやまなかった幼少期。
 
意識し出したきっかけは
小学校低学年の頃にやっていたアニメ、
エスパー魔美」だった。
 

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世の中は「ハンドパワー」でお馴染み
ミスターマリックが大流行、
サイババが手から金の粉を出したらしいと、ざわついていた?あの時代だ。
 

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不思議な力なるものがすんなり受け入れられた時代
(かどうかはわからんが)である。
 
 
 
クリーミーマミみたいに
素敵にキラキラ変身アニメとは違って、
 
ごく普通の中学生がふとしたきっかけで
エスパーの力が目覚めるという
現実に無さそうでありそうな設定がなんとも衝撃を受けたようだ。
 
しかし、ごく普通とはいいながら、
主人公の魔美は画家の父親のヌードモデルとして
素っ裸のシーンがたまにあったりして(今の時代じゃありえないけど)、
小学生が見るアニメにしては非日常であり、
視聴者の少年たちにとってこのシーンはある意味、目を見張るものであっただろう。
 
 
魔美がテレポートで使っていた
テレポーテーション・ガンと言う道具があるのだが、
テレポートする際、こめかみ辺りでボタンを押すと
BB弾が出て、テレポートが出来ると言うしくみであった。
※原作では仁丹が出るらしいが、アニメではBB弾だった。
(物が自分に衝突しそうになるとテレポートする力がでるという設定だ。)


※→   後日調べたら実際はBB弾では無くビーズだった・・幼少期のペケ山の完全な思い込みでした。
 



 
当時はエアガンが流行っていて、
男子はエアガンにBB弾を詰めて遊んでいた。
 
当たったらそこそこ痛いので、
学校では禁止になったり、没収されたりと
まあまあ危険なおもちゃであった。
 
 
 
 
祖母の家に行った時、従兄弟のお兄ちゃんが忘れていたエアガンを目にした。
 
 
中にBB弾が入っているのは知っていた。
 
 
 
それを見た時、ハッとした。
 
 
 
あれ?
 
もしかしたら、私、エスパーかもしれない・・
 
 
 
とそんな思いが突然湧いて出てきた。
 
 
 
そう、完全にエスパー魔美に影響されていたのだ。
 
 
 
今思えばすごい勇気・・と言うか、
凄い自信というか・・・
 
そのエアガンをこめかみに向け
(よりによって危険なこめかみ)、
エスパー魔美のテレポートを想像しながら、引き金を引いた。
※良い子はマネしないでw
 

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パンッ
 
 
 
 
と音を立てた瞬間、こめかみに激痛が!!
 
 
 
ぐっ・・
 
 
言葉にならない言葉を呑み込んだ。
 
泣き叫ぶ訳には行かず、
(エスパーかどうか試したとはとても言えない)
 
 
 
その場で静かに悶えていた・・
 
 
 
 
テレポートは失敗?に終わり、
 
こめかみに赤いあざと、
 
テレポートに失敗したことを認めたくない
という変なモヤモヤが残るのである。
 
 
 
 
 
当時クラスの友達で、
名はのぞみ、通称のんちゃんと言う友達がいた。

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のんちゃんは誰にでも優しく控えめで
いつもにこにこしている明るい良い子であった。
 
 
 
 
休みの日に2人、
小学校の遊具で遊んでいた時だ。
 
誰も居ない運動場、
夕方前でおセンチになっていたのか、
 
私は誰にも話していない心のわだかまりを
ついにのんちゃんにぶつけてしまった。
 
 
 
 
 
「私、実は不思議な力があるっちゃん・・、誰にも言っちゃいかんよ。」
 
 
 
「え?どうゆうこと?」
 
 
 
 
信じているのだ、自分の力を。
 
怖い。
 
今思うと幼い頃とは言え非常に怖いな。
 
のんちゃんもこいつヤバイ、何言ってんだと思ったと思うw
 
 
 
 
しかしその時の私は疑わなかった・・自分の力を・・
 
 
 
なんと、見せようと思ったのだ。
のんちゃんの前で。
不思議な力を・・・
 
 
 
少し離れた
綱登り用の綱を指差して、
 
 
「アレ今から揺らして見せるね。」
 
 
 
といって手をかざす。
 
 
 
 
 
 
・・・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
しばらくその状態のまま時が過ぎた。
 
 
 
 
 
 
いやいや・・・、
 
エアガンでこめかみめっちゃ撃ちつけたじゃん。
 
絶対エスパーじゃねぇって!!!
 
 
 
 
 
 
その間何故、こんな事を他人に話して実行に移したのか・・
そう、後悔の嵐がおそっていた。
 
 
 
 
 
 
時間もまあまあ過ぎ、
かざした手を戻すに戻せず、
もうそろそろさすがにエスパーではないと気づき始め、
こんな自分が恥ずかしくなってきた頃、
 
 
さわっと風が吹いて縄が揺れた様な気がした。
 
 
 
 
すぐさま私は
 
 
「ほほほ、ほら、いま揺れたやろ??」
 
 
 
慌ててのんちゃんに声をかけた。
 
 
 
するとのんちゃんは気まずそうな顔で
 
 
「揺れた?かも・・」
 
 
と明らかに風でほんのすこしだけ揺れた縄を見つめて答えた。
 
 
 
 
 
 
 
その後妙な雰囲気が流れたのは
言うまでもないが、
そんなヤバイ事をいう私を
その後も避けることなく、仲良く遊んでくれたのんちゃん。
 
 
 
 
誰にも言わないでねと言ったことを
覚えていたのかいないのかわからないが、
きっと誰も言わなかったのんちゃん。
 
 
 
とても良い子だった。
 
 
 
ありがとうのんちゃん。
小学生にしてその心の広さ、大人の対応に、
随分大人になった今もお手本にしたいほどの対応力だった。
 
 
 
 
 
 
新幹線のぞみに乗ると
のんちゃんの優しい笑顔と、
こっぱずかしい自分の黒歴史
新幹線の速さで脳裏を駆け抜け、
なんだかむず痒くなるのだ。
 
 
 
 
ちなみにであるが・・・、
いまもまだエスパーの力は現れてはいない。
 

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