ペケ山ブログ

思いついたことを好きに書いています。

天狗狩り〜Sの悲劇〜

 
 
 
まあ、今じゃ珍しくもなんともないだろう。
 
むしろ現代っ子であれば、高校デビューが当たり前の様な時代かもしれない。
 
 
 
そんな私もそのひとりであった。
 
 
 
 
誰でも聞いたことはあるだろう。
 
 
工業高校の女子はそんなに容姿が整ってなくても、そこそこモテるという話だ。
 
 
 
まさにその通りだ。
 
 
 
それが工業高校マジックである。
 
 
 
 
 
女子に飢えている工業高校男子達は
女子を間近で見たり接触する機会が途絶えてしまい、
選り好み出来ない極限の状態まで衰弱し、
 
 
結果、女子であればもうだいたい良しとする終着点にたどり着く。
 
 

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私のクラスは女子が3人しかいなかった。
他のクラスもそんな感じだ。
 
 
 
 
モテないわけがなかろう。
 
 
 
 
 
 
私は勉強があまりできなかった。
 
勉強をしたくないという甘い考えで、推薦で高校へ行くことになった。
運動推薦だ。
 
ペケ山は柔道をしていたのだ。
 
推薦の話が来た時は「やったね、受験しないで入れる」
程度だった。
 
 
普通に受験したら入れなかっただろう
工業高校にしては少し偏差値が高めの高校。
 
 
 
 
 
そして席についてはじめて気がつくのだ。
圧倒的な男子の多さに。
 
 
 
 
 
 
よかったー、アイプチしてて・・。
 
 


 
 
両親がくっきり二重の癖に
一重がコンプレックスだった私は
一念発起、アイプチでガッツリ二重にして入学式に挑んだのだ。
 
 
 
 
アイプチの成果?が出ていたのか、
序盤からもうすでに工業高校の魔法がかかっていたのかわからない。
 
 
 
自分で言うのも何だが・・・・凄かった。
 
 
 
人生一番のモテ期到来である。
 
 
 
 
ちなみに当時は
普通の女子高生より少しガタイが良かった。
アイプチもまだ慣れておらず
まるで殺し屋の様に眼光も鋭く、血走っていた。
なのにモテた。
 
 
 
 
 
 
もう一度いう。
 
 
 
 
 
 
まるでゴルゴ13のような眼光で、こんなに筋肉質なのに、である。

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これが工業高校マジックなのだ。
 
 
 
 
 
 
廊下を歩けば廊下側の窓がガラガラと開きだす。
 
たまに隠し撮りされ、
バスケ部の更衣室にはペケ山の写真が貼ってあった。
 
女子がめっぽう少ない工業高校の球技大会、
女子の試合の時は学校中の男子が体育館にむらがった。
 
 
告白だってもう何度かされてしまっているという快挙。
 

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今まで「モテる」という経験がなかった私は
そう、調子にのった。
 
 
 
あからさまには出さない様にしていたものの、
自覚があるがゆえ、人が集まる場所にわざわざ趣き、
見られているという事に快感を覚えていた。
 
 



まったく、嫌な女である。
 
 

 
 
私の鼻はニョキニョキと伸びていった。
完全に天狗である。
 
 
 


真っ赤っかの天狗になっていたのである。
 

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そんな人生初のモテ期で
恐ろしいほど天狗になっていた私の前に
 
 
一人の少年が現れた。
 
 
 
 

 
 
 
同中のS君である。
 
 
 
 

 
 
あれは忘れもしない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
テクテクと私の前にやって来たS君は
私の顔を暫く見るなり首を傾げてこう言い放った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「えーー?・・・・・・・・・・普通?・・・・・だよねぇ?・・・・・かわいいかぁ?」
 
 
 
 
 
 
 

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心の底から不思議そうに、だ。

ペケ山はかわいくないと言い放った。










「私はモテる」と調子に乗っている今、
その言葉は刀でバッサリ斬りつけられたようだった。





たいしたことないぞお前。
といいたかったのだろうか?

 
 
 
 
 
 



 
たいしたことないのに
調子に乗んなよお前と。


さらに、
アイプチでまぶた突っ張ってるんだよ。
勘違いするな。かわいくねえ。
何だよその逆三角形の体は。
ハッ笑わせんじゃねーぞ。
 

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とまで言われたような気がした。
 
 
 
声は発してないのだが、顔がそう言っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
モテ期到来で有頂天になり
真っ赤っかな天狗に
パンプアップし続けていた私は
たった一言で伸びた鼻をへし折られたのである。
 

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ペケ山は知っていた。
 
 

 
S君は中学の頃、黒木メイサ似の町イチの美少女に
片思いをしていたということを・・
 
 
 
 
 

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真っ赤な天狗は一瞬にして狩り取られた。
 
 
 

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「ぐっ・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 

 
その後、筋肉だけが残った私は入学して8ヶ月で高校をやめたのだった。
 
 
 
 

 
別にS君のせいではない。
 


 
皆同じ事をしていてつまらないなどと
パンク思想?を唱えはじめ、辞めたのだ。
 


 
若気の至りである。
 


 
まあ、今考えればこれは色んなことから逃げるための理由付けであったのだが。
 



 
 
ペケ山は基本的に調子乗りである。
しかし社交辞令でも容姿を褒められたりする
S君のあの顔が浮かび、
拒否反応で上手く対処ができないのだ。
 
 

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これが、トラウマというやつなんだろう。
 
 
 


 
 
 
 
S君の通常の顔がどうだったのか
今は思い出せない。
 

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このトラウマはこれからもきっと続いていく。
 
 


 
 
 
私はこれをSの悲劇と呼んでいる。
 
 
 
 

 

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